手書き文字について

完全手書きのオリジナル文字

吉祥堂では手書きにこだわり、熟練の職人がお一人おひとりに合わせてオリジナルの文字を作成しています。昨今は、パソコンで印鑑のデザインができるソフトが普及しており、既存の文字を画面上で補正する、といった簡単な作業で安価に印鑑ができる時代になりましたが、私たちは職人の手による、昔ながらの方法を守り続けています。

誰が見てもわかるバランスの違い

手書き文字と、パソコンで作成した文字との一番の違いは「バランス」です。

文字には画数の多いもの、少ないものがあり、更にその前後の文字との組み合わせで空間の「詰まり具合」がまちまちになります。整えて印鑑の丸や四角の枠の中に納めることで、見た目に美しく安定感を感じるバランスが実現します。

コンピューターは、同じ作業を繰り返し行うことは得意ですが、こういった「人間の目で見た微妙な感覚」を理解するのはまだまだ難しいようです。例えば数字的に正確に真ん中に配置された文字でも、形によって「ちょっとずれている」ように感じることの方が多いのです。私たちはそんな「人の感覚」を大切にし、一本の線の3分の1から4分の1、髪の毛一本分よりも細いくらいの微調整を行いながら印影を作成していきます。

きちんとバランスを取った文字は、特に印鑑に詳しくない方でも、見た目に整った印象を感じ取ってて頂けるはずです。

家族みんなが唯一無二の印影を

苗字が同じご夫婦やご家族であれば、印鑑は同じでもよいのでしょうか?

手書き文字が一字一字違い、その人個人を感じさせる個性を持っているように、印影もその人の、世界に一つだけの印影を持っているべきではないでしょうか。

吉祥堂では、たとえば4人家族なら、同じ書体でもそれぞれの個性を活かして個々に違う>印影をお作りするのが常識と考えています。

また、パソコンのフォントを使うとほぼ同じものができてしまったり、最悪の場合偽造も簡単に行えてしまいます。印鑑は、財産に関わる重要な書類にも使われます。危険だと知らずに「安かろう悪かろう」で簡単に複製できる印鑑を使うのは、そこら中に落ちている合鍵で鍵をかけるようなものです。防犯上の理由からも、完全オリジナルの手書き文字をお勧めします。

どんな珍しい名前でも大丈夫


旧字体や異体字など、どんな変わったお名前でも、「フォントが無いのでできません」ということがありません。本当の手書きなら、どんな細かなご希望も対応できます。

ご希望を出来る限り対応

吉祥堂で使われるのは、楷書、行書、古印、隷書、篆書、開運の6書体が中心です。

ご希望は必ず伺った上で、用途とニーズ(わかりやすくしたい・自分だけの個性が出したいなど)に合わせてベースとなる文字の種類を決定。そこからご本人に合わせたオリジナルの書体をアレンジしていきます。同じ書体の同じ字でも、二度と同じ文字にはなりません。どんなイメージがよいかまだ決めかねている方も、しっかりとしたイメージが固まっている方も、是非一度ご相談ください。