4名の国家検定1級印章彫刻技能士
吉祥堂には、印章の資格としては最高の「国家検定1級印章彫刻技能士」が4人在籍しています。
実は印章店を開業するために、この国家資格は必須ではありません。特に近年はテクノロジーの発展により、印章の知識がなくても機械操作を覚えるだけで、印章店を開業したり、ハンコを提供することは誰にでもできるようになりました。
そんな中でも私たちは「金看板」と呼ばれるこの国家資格に恥じない、それ以上の品質を追求し続けています。
創業者の思い
創業者である後梶谷美芳(うしろかじたにみよし)は、「良いものを造りたい」というただ一心で、技術の研鑽に努めてきました。
印章の出来を左右し、最も熟練を要する布字(ふじ:印材の断面に文字を書く作業)の卓越した技能は「他の追随を許さない」と評されています。美しく特徴的な印影は、教科書のような絶対的なバランスを持っており、見ただけで本人の作だと解るほど圧倒的な存在感があります。
また、兵庫県印章業協同組合、兵庫県印章彫刻技能士会などの設立にも尽力、約30年にわたって若い後継者の指導育成に携わり、業界に多くの弟子を排出しています。印鑑を彫刻する刀を手に馴染ませるため、柄に施した独自の工夫が、いまや業界に広く普及していることからも、功績がうかがえます。
その姿勢を高く評価され、「現代の名工」や「黄綬褒章」を授与いただき、今日も生涯現役の思いで、良い印章を造り続けています。
創業者から受け継ぐ職人の姿勢
現在、創業者の後梶谷美芳は、吉祥堂の技術的・精神的な大黒柱として職人全ての作品をチェックしています。「髪の毛一本分細く」といった細かなアドバイスが、吉祥堂の品質を支えています。
吉祥堂の職人は、創業者の技術と思いを次世代に伝えるべく、守るべきことを守り、新たな感覚を吹き込みながら、日々技術の向上に励んでいます。